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鳥勝 ぶっちー

「アニマルウェルフェア」という考え方が広がる世界、食鳥処理場と精肉店にできる事

 

こんにちは!

暑い日が続きますね!

先日、こんな暑い時期にも関わらず

岩倉市内で建物火災が発生してしまいました。

消防団員として駆けつけたのですが、

いつも頼りにしている先輩消防団員の方たちが

たまたま少なく、さらに僕も久しぶりの出動と

いう事もあって、ヘマを連発してしまいました泣

やはり、日ごろから訓練を怠ってはいけませんね!

仕事も同様、日ごろから意識を高く持ちたいものです。

ぶっちーです。

 

 


 

 

さて、今回の内容は少し重いです。

さらに、使用する画像は全てAbemaTV様の

放送内容のスクリーンショットを使わせて頂きます。

問題がありましたら、すぐに消しますので

ご連絡を頂きたいと思います。

 

それほど、このタイミング・時代に

書かないといけない事だと考えています。

 

 

 

 

皆様、

アニマルウェルフェア

という言葉、ご存じですか?

 

農林水産省::アニマルウェルフェアについて

 

ここ数年で周知が進み、耳にしたことが

あるという方も少なくないかもしれません。

 

アニマルウェルフェアとは、「家畜」に対する

考え方、生育方法の考察の事です。

「家畜を快適な環境下で飼養することにより、

家畜のストレスや疾病を減らすことが重要である」

との考え方に基づき、実践されるものです。

 

現在の世の中では、「LGBTQ」とか

「ダイバーシティ」という、

ひと昔前までは全く聞いたことの無かった

言葉や考え方が、一般的になり当たり前に

使われるようになってきています。

それも、急速にです。

まるでこの考え方に従わない事が悪の

ように捉えられている事には非常に

訝しく思いますが、この先ほどの

「アニマルウェルフェア」

確実に、そう遠くない未来に一般的な

考え方の一つになります。

 

 

 

少し前の話ですが、ニュースを流し見

していると、このアニマルウェルフェアに

ついての特集が短いながらも組まれていました。

しかも、牛でも豚でもなく、鶏のはなしで。

 

 

 

フランスで雄ひよこの殺処分が禁止される事が

発表され、それに即する内容となっていました。

 

 

 

 

 

これは割と有名な話で、隠す必要も

無い事なので書きますが、

日本でも、卵から孵ったひよこのうち、

「オス」は大半が即処分されます。

処分と濁しましたが、「殺される」

という意味です。

しかも多くの場合、オスかメスか

鑑別され、オスだと分かった直後に

そのまま粉砕機にかけられます。

「オス」という理由だけでです。

 

なぜオスだけ処分?簡単です。

メスに比べ肉質が劣るから。

 

 

フランスではフォアグラ用に育てられ、

餌を無理やり詰め込まれ飼育される

アヒル同様、動物の権利を無視しているとして

長年問題視されてきました。

 

それが最近、多くの人に賛同される形で

「家畜の権利」を考える流れに向いています。

 

 

 

 

取材を受けていた教授もおっしゃられて

いましたが、なぜそのような事を

しなければいけないのか?

 

これは、凄く簡単な話ですが

「鶏肉を安く市場に流通させるため」

です。

綺麗ごとなんて一切ありません。

みなさんが普段スーパーで買うお肉。

 

「このお肉、おいしいのに値段も手ごろだね!」

の為にこのような手段を取らざるを得なく

なっています。

 

もちろん、これは消費者に責任が

あるなんて一切言いません。

高度経済成長期以前から長年をかけて

育まれた「市場」のせいです。

少しでも安く、効率よく、市場に

良い鶏肉を流通させようとした

先人たちの努力の結晶です。

 

要は、生き物である家畜を

「商品」としてしか扱っていなかったのです。

牛肉も、豚肉も、鶏肉も、魚も野菜も

全て同じです。

なるべく良い「商品」をなるべく安く

お客様のもとへお届けする。

その理念のもと行われ続けた事でした。

その裏で、本来生き物であるはずの「商品」達の

権利は少しずつ、ないがしろにされていったのかも

しれません。

 

 

 

それが、令和という時代に突入した

日本では段々と、段々と変わってきています。

このような番組がお茶の間に流れ、

アニマルウェルフェアという

言葉が一部の学者の間だけではなく

コメンテーターの間で飛び交う。

 

周知され、多くの方に理解される第一歩です。

 

はき違えてはいけないのが、これは

一部の過激な動物愛護団体が言うような、

「肉食をやめろ」という話では全くないと

いうところです。

「肉食」の為に家畜を育てるという事は、

もはや文化です。人類が誕生してから

現在に至るまで、世界中で肉食を全く

しなかった時期など存在しません。

 

 

せめて、その家畜の環境や生き方を

人間の手により「より良い物」に

しようという理論です。

偽善と言ってしまえばそれまですが、

「やらない善よりやる偽善」

いい方向に向かっているに決まっています。

 

 

 

しかし、先ほど書いたとおり現代に

至るまで、徹底的に効率化された

現代農業は、このアニマルウェルフェアを

取り入れるとものすごくコストが

かかります。

いままで時間をかけて切り詰めてきた

コストを、再びかけるようになるからです。

 

この番組でも扱われていましたが、

例えば鶏を育てる鶏舎。

鳥勝が扱っているような名古屋コーチン

などでは、1羽に対する鶏舎の広さが

定められている為広々飼われていますが

ブロイラー系の鶏などは過密マンションに

例えられるような、1羽1羽の隙間が

無い程の狭い環境でそだてられます。

 

これを地鶏の生育環境と同等に扱おうと

すると、もうこれはとんでもない事に

なります。

 

当然、生育コストが多くかかれば

販売価格に転嫁せざるを得ません。

 

「アニマルウェルフェアを導入しました!

明日から鶏肉の価格が2倍です!」

 

というスーパーが出てきたときに、

果たして何%のお客様がそのスーパーで

鳥肉を買い続けてくれるでしょうか?

 

金銭的な負担リスクは、消費者に直結します。

 

 

 

 

 

教授は、番組で「エシカル消費」という

言葉に着地点を置いていました。

「人や社会・環境に配慮した消費」などの

意味があります。

 

消費者庁:エシカル消費とは

 

僕はさんざんここまでの文章で、

アニマルウェルフェアが

これから一般的になる!

みなさんもっと勉強して!

お肉が高くなっても我慢して!

という論調を取ってきましたが、

正直言いまして、僕は今の方法を

まるっきり全部変える事はできないし、

必要が無いとすら思っています。

もちろん、先程来何回も出てくるコストの

話や、アニマルウェルフェアに

賛同する人の割合など多くの理由が

あります。

 

そこまで食品に思いを巡らせる事が

無い人なんて、ごまんといます。

 

それでも、この教授のおっしゃる

「エシカル消費」を実践できる人が増えて、

最終的な着地点がアニマルウェルフェアで

あってほしいと願っています。

 

 

アニマルウェルフェア 名古屋コーチン

 

少し宣伝っぽくなってしまいますが、

鳥勝が扱っているような名古屋コーチンを

含む、JIS規格で決まった「地鶏」という鶏は

育て方の点で、アニマルウェルフェアに

がっちり適合しています。

 

鶏舎の広さや環境などにとても配慮され

「ストレスの無い環境で育った~」と謳っている

養鶏場さんも多いです。

 

さらに僕たち食鳥処理事業者や精肉店。

僕たちの判断も、これから重要な時代に

なってゆきます。

 

これまで通り、安価に切り詰められた

安い鶏肉を販売するのか、

アニマルウェルフェアに適合した

少しコストの掛かった肉を販売するのか。。。

 

題名で、「精肉店にできる事」と書きましたが、

それはこれから時間をかけて考えなくては

いけない事の一つなのかもしれません。

 

 

皆様、行動してくださいとは言いませんし

思いません。ただ、普段食べている食品に

少し思いを馳せてみる事をして頂きたいと

思います。

 

 

それでは今回はこの辺で!

また次回!

 

 

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