鳥勝 ぶっちー
鶏の脱羽機(脱毛機)が故障!このままだと仕事にならないのでDIYで修理してみました
2022年6月4日
こんにちは!
何故かここ数日、花粉症がとても
酷くなり、鼻で呼吸ができませんw
調べるとイネ科の花粉が飛んでいるよう。
夜も寝れない程酷かったので
耳鼻科へ行くと、やはり花粉症で
間違いないとの事。
プソフェキという語感の悪い薬を
処方されたところ、すぐに効果を
発揮して鼻が通るようになりました。
何がどう作用しているのかは
知りませんが、やはり薬は凄い。
ぶっちーです!
さて、今回も鶏の羽根です。
先日、鶏の脱羽機が壊れてしまい
仕事に支障が出るという状態に
陥ってしまいましたが、何とか
直すことが出来たので備忘録を兼ね
ブログ記事にしたいと思います。
長くて、画像も多いです。
※今回も鶏の羽根や汚れた機械の
画像が多く、人によっては気分を
害するかもしれませんので、
興味がある方のみご覧ください。
壊れたのはこの機械。
「脱羽機」とか
「脱毛機」と呼ばれる機械です。
鳥勝では鶏をさばく時ほとんどの工程を
手作業で行う為、機械を使いません。
しかし唯一「鶏を搬入してから店に並ぶまで」に
機械を通す工程があり、それがこの脱羽機です。
鶏をさばく作業に入る前の処理ですね!
以前の記事でも書きましたが、
この脱羽機が無いと全て
鶏の羽根を手で毟らないといけない為
かなり時間がかかってしまいます。
その為、できる限り早急にこの脱羽機を
直さなくてはいけませんでした。
しかも鳥勝のこの脱羽機、
「南部工業株式会社」さんの
製品なのですが、どうやらすでに
解散されている様子で、電話も
繋がらず所在地も現在では別の
企業さんが入っているっぽい。
手っ取り早くどこかに修理を
お願いしようかと思いましたが、
食鳥機械を修理してくれる業者、
イチから探すよりは
自分でやった方が早いかも。
との思いに至りました。
早速、僕の手に負えるかどうか
分解して確認してみます。
まずは上部ガードを外し、中を確認。
通常はこの底面にある、ゴム棒がいっぱい
生えているお皿がぐるぐる回り、鶏が
かき回されて脱羽されます。
今回の症状は、「モーターは
回ろうとしているものの、
何かに引っかかっているような
音がして回転が止まる」
というものです。
電源を入れると、最初は少し
回転するのですが、
「ヴヴーーーーーー!!」
みたいな音がして回転が止まります。
なので、恐らくベアリング周りが
ダメなのだろうと見当を付けました。
まずはこの径で言うと30㎜の
キャップボルト。
もうね、まずこいつから躓きました。
なんせ軽く10年は外していない
このボルト(僕が鳥勝に来てからは
一度も外してないはず。)
固着が凄くて、さらに
レンチが突っ込みにくい位置。
ゴム棒も邪魔だし。
合わせて回転部分の中心にあるので
ちゃんとお皿を抑えてないと
ぐるぐる回ってしまう。
先輩に頼んで治具を作って頂こうかと
考えていた矢先、何とか外れてくれました。
ちゃんとトルクさえ掛けれれば、
そこまでの固着ではないと思います。
表面は錆が割と出ているものの、
底面はそこまでではないようです。
毎日水浸しになる部分ですが、
想定より錆は少ないようです。
次は外しやすそうな「給水パイプ」。
水をかけながら回す事により
羽根を抜けやすくする為、
回転部中央に向けて水を放水する
場所です。
ここは楽ちん。
15年来の相棒、スイベルラチェット君に
任せてあっという間に外れました。
給水パイプ内もコケが付いていたり
悲惨な状態。
上の画像は次亜塩素酸水に
漬けている所。コケが浮いて
一か所に集まっています。
パイプの根元や固定具もちゃんと
外し、きれいに洗っておきます。
ここで再度強敵の登場。
上の画像の赤い点で示した場所に
M5のトラスネジが4か所あるのですが
とにかく外れない!!
2か所はなんとかプラスドライバで
外れたのですが、
残りの2か所がびくともせず、
貫通タイプの、ネジ山が潰れた時用の
ドライバでも、まったく太刀打ち
出来ませんでした。
考えた末、トラスネジの両側を
鉄のこで削り、掴める状態に持っていって
バイスクリップ版のネジザウルスを使って
無理やり掴み、回すことに。
何とか取れました!!
めちゃ疲れました。
掴んでは外れてまた削り、
掴んではまた外れて…を
繰り返し。
このネジ2か所だけで多分
1時間くらい格闘してます。
恐るべし固着ねじ。
ともかく安心している時間はありません。
真ん中のでかいナットが取れ、
トラスネジ4か所も取れ、あとは
上に引っこ抜くだけです。
回転する板自体も、ある程度
固着していたものの何回か
引っ張っているうちにべりべりと
剝がれながら外すことができました。
が、
うーーーわ。
普段手が届かない位置なので
ある程度汚い事は予測していましたが
もう鶏の羽根の風化したモノと
錆と脂でぎっとぎと。
これはトラスネジが固着するのも
うなずけます。
外す前にざっくりとワイヤーブラシを
使い、きれいにしてから次の段階に
進みます。
キレイにしてから探すと、
イモネジが2か所、90度の
間隔で下側についています。
ヘキサゴンレンチで回すと
「パキッ」という小気味良い
音と共に外れてくれました。
ここのイモネジがなめったりすると
完全に詰むので、本当に
外れて良かったです。
さあ!イモネジ2か所も外したし、
あとは引っこ抜くだけ!・・・
なのですが、ここも固着が凄い!
ギアプーラー君の出番です。
※画像は3か所で噛ませてありますが
実際はホイールの形状の都合で
2点噛みで外しました。
まだカバーが外せておらず
作業スペースも狭いため、
ギアプーラーを回す作業も一苦労です。
ここの箇所はかなり力を加えなければ
外れなかったため、ギアプーラーが
無ければここで詰みます。
やっと外れました!
このホイール、鉄でできているようで
見た目以上に重いです。
めっちゃ錆とるし。
上部回転部を外した後のシャフトです。
もう明らかに傾いてる事が分かり、
一方向に寄っています。
中心線からかなり逸脱している事が
わかります。
ここまではずしてやっと、
上記画像の赤枠の部分が
外れます。
18か所かな?ボルトで留まって
いるので、サクサク外してゆきます。
こちらは6角だったので
固着している事も無く、
普通に外すことができました。
やはりスイベルラチェットは便利。
自分が持ってる中でも一番好きな
工具かもしれません。
外れました!!
外した部分は重く、30~40㎏?くらい
あると思うので、できれば2人以上で
降ろした方が無難です。
どこかにぶつけてしまっても
おもしろくないですし。
うーーーーーーーわ。
もうね、うーーーわ。
鶏の羽根やら蜘蛛の巣やら
錆やら汚れやらでシャフト
周りはとんでもない状態に。
今回の故障、一番の問題箇所だと
思われるベアリング部分。
もう粉々です。
シールも千切れて無くなってるし
ベアリングのボールもなんか
偏ったり外にでていたり。
恐らく、シャフトをこの状態で
回すと、ベアリングのボールが
噛みこんでしまって動かなくなる
のでしょう。
どうしたものか。。。
とりあえずは全て外して、
キレイにしてから考えます。
シャフトの傾き。
ベアリングが完全に破損している為
Vベルトに引っ張られている下側と
反対の方向に倒れこんでいます。
幸い、ベアリングが2か所
留まっていた8本のボルトは
ステンレス製で錆も無く、
固着している様子もありませんでした。
割とスムーズに取れ、
脱羽機の回転部「下半分」が
お目見えです。
朽ち果てていた上部ベアリングの
フランジ部分。
ベアリングから完全に離脱し、
フランジだけ取れちゃいました笑
下のフランジユニット、こちらも
もうすぐ同じ運命を辿りそうな
予感です。
なんとかシールを保っているだけの
状態です。
こちらのシャフト周りも分解してゆきます。
フランジベアリングユニットは、
イモネジで留まっています。
こちらも90度間隔で2か所。
固着も無くパキッと取れました。
ラッキー。
一番底面にあったプーリーも
上部プーリーと同様
イモネジを2か所外し、
ギアプーラーを使って外します。
こちらのプーリーは比較的
錆も少なく、防錆塗料もまだ
大部分で生きているようです。
こちらも固着を覚悟していましたが
あっけない程簡単に取れました。
端っこに付いているからかな?
とはいえ、ギアプーラーが無ければ
とてもじゃないけど取れないと思います。
残ったベアリングユニットも
外します。
本来このようなギアプーラーの
掛け方は絶対にダメなのですが
まあ、どうせ交換するしくらいの
間隔で掛けています。
このフランジユニット、
型番を拾った所簡単に出てきました。
もちろん現行品。
ASAHIのF205という商品で
1個¥800くらいのお買い得商品。
ついでにVベルトも新品を発注。
Vベルトは、三ツ星ベルトさんの
「A-71」でした。
この2点はみんな大好きモノタロウで
発注しましたが、夕方頼んで翌朝に
届きました。
おっそろしい世の中です。
ホームセンターはじめ、小売店さんが
勝てる要素がどんどん減ってゆきます。
到着した新品と並べてみました。
かなり汚れていたことが分かります。
現行品で本当に助かりました。
ここからはもう、ゴールが見えているので
とにかく掃除です。
金たわしとワイヤーブラシを
駆使して、とにかく錆を落とします。
プーラーとメインフレームの一部は
錆を落とした後、防錆塗料として
車の下回りの防錆に使われる
シャシーブラックを塗布しておきました。
かなり前に買ったシャシーブラック
ですが、まだまだ使えました。
取っておいて良かった。
ベアリング以外のシャフトと
プーリーは再利用しますので、
シャフトも耐水ペーパーで表面を
キレイにした後、新品のベアリングと
錆を落として塗装したプーリーを
仮組します。
もはや見違えるほどきれいになりました。
組付ける時に、フランジユニットが
可動することを発見www
交換前のほうは錆がひどく、
全く動きませんでした笑
ここまで組付ければあとは
もう少し!
モーターも汎用品のようで、
まだまだ普通に動くので今回は
型番をメモする程度で交換は無しです。
正直適正トルクなどの情報は
一切持っていませんので、
まあ大丈夫だろうくらいの力で
締めておきました。
Vベルトも同様。
以前の物はシャフトが傾いていた事もあり
ベルトがかなりゆるゆるでしたが
まあこれくらい張っていればいいかな?
程度で感覚整備。
調整はしていません。
あとはどんどん戻してゆきます。
破壊してしまった赤い点で示した
箇所の4つのトラスネジは、
ヘキサゴンレンチで緩めれるものに
交換しました。
これなら角が丸いので、
鶏が当たっても傷つく事は
ないでしょう。
もちろん、ステンレス製です。
最後に、きれいに掃除した
給水パイプを取り付けて完了です!
透明なビニール部分が、なぜか
外す前より縮んでしまっていて、
はめるのに少し苦労しました。
ここもなんともならなければ
自作品に交換しようと思います。
最後の動作確認もおっけー!
この後、グリスなどを中世洗剤で
キレイに掃除して、修理完了となりました!
もちろん、しばらく使ってみて
様子見ですが、よっぽど
壊れる事はないと思います。
鶏の脱羽機という特殊な機械なので
直るかどうか心配でしたが、
世の中の色々なものと一緒です。
蓋を開けてみればなんてことは無く、
汎用品を組み合わせて作られていたので
比較的簡単に直すことができました。
使われているパーツも全て現行品の
ようですし。
昔、車やバイクを分解していた時の
経験が、役に立ちました!
これで、また脱羽機が故障する
事があってもすぐに対応できると思います。
次ダメになるとしたらモーターかな?
それでは今回はこの辺で!
また次回!