鳥勝 ぶっちー
愛知県の食中毒発生状況2021(令和3年)
2022年8月9日
こんにちは!
梅雨も明けて久しいですが、最近は
岩倉市でも急な雨(ゲリラ雷雨?)が
非常に増えた印象があります。
先日も、鳥勝のすぐ近くに雷が落ちて
めちゃくちゃビックリしました。
もう、音が大きすぎて・・・・・
近郊では、落雷が原因の火災なども発生
しているようですので、注意しなければ
いけませんね!
精肉店としては、落雷による停電も
非常に怖いですが。。
ぶっちーです!
さて、今回は食中毒の発生状況です。
先日保健所で会議があり、江南保健所の
食品担当の方から直接愛知県の
食中毒発生状況を説明して頂けるという
機会に恵まれました。
そこでお伺いした事を、いくつか
ご説明したいと思います。
まず、上記画像ですが、新たに
「一宮市」が昨年に比べ追加されました。
これは昨年4月より一宮市が中核市と
なり、単体で記載される事になった
事によります。
その為、発生件数は0件となっています。
それでも、4月~12月で0件は
凄いと思いますが。。
肝心の発生件数、年々順調に減っています。
昨年同様、コロナ禍で飲食店営業が
制限されており、平年に比べ発生件数も
少ないです。
過去と比較すると、2017年(平成29年)は
愛知県合計件数76件、患者数1433人でした。
件数に於いても2021年は半分程度、患者数に
ついては3分の1以下となっています。
余談ですが、昨年の何故か急に劣化した
昭和風のグラフ図から、今年は元に戻り比較的
見やすいグラフやイラストに戻っていました笑
昨年のみ導入されたデザインは、
ページ上部の愛知県の食中毒発生状況2020
のリンクからご覧ください。
まあ……戻っても少し古臭い匂いは
変わりませんが。。。
話は元に戻り、月別の発生状況です。
やはり12月が多い事は変わりませんが、
3月にアニサキスによる食中毒が多く発生し
患者数は4月のノロウイルスによる食中毒で
多くなっています。
絶対数が少なくなっている為、発生件数としては
それ程月別による差はなくなっています。
次は原因食品別です。
発生件数としては魚介類が多く
カウントされていますが、
これはここ数年目立っている
アニサキスによる食中毒が
増えている事によると思います。
患者数で見ると、相変わらず
「その他」が多いです。
これは毎年の事ですが、原因となった
食品が特定できずに「その他」と
なってしまった為です。
例えばカンピロバクターなどでも、安直に
鳥肉が原因の場合もあれば、食べ放題の
お店などで鶏肉からトングを介して
菌が他の食品に移ってしまい、その
他の食品が原因となってしまったりなど、
一概に原因食品が特定できない場合も、
多々あります。
カンピロバクターが検出され、原因物質だと
特定されても、原因食品が鶏肉が原因とは
限らないということですね。
病院物質別に見ると、発生件数に対して
患者数がアニサキスは少ないです。
これは保健所の方もおっしゃっていましたが
アニサキスは「集団食中毒」になる事が
少なく、たとえ料理店の多人数会食で
アニサキス食中毒が発生しても、
罹るのは1人、多くて2人だそうです。
対して、ノロウイルスに関しては
発生が2件にも関わらず患者数が
163人と、発生件数に対して患者数が
非常に多いです。
これは社名は伏せますが、ある大企業さんの
社食で集団食中毒が発生したケースが
発生したりするなど、大人数が
一度に罹るケースが発生した事によります。
様々な理由はあると思いますが、
ノロウイルスに関しては
明らかにアニサキスに比べると1件
当たりの患者数が多いです。
施設別では、やはり飲食店の割合が多いものの
コロナ禍という事もあり飲食店や旅館での
件数は比較的少ないです。
③でも少し触れましたが、患者数で
「事業所」が多いのは、ある企業の社食で
集団食中毒が発生したことによります。
これも毎回の事ですが、「家庭」での
発生が少ないです。
これは、ご家庭で少しお腹を壊したくらいでは
病院に罹らない方が殆どである事によると
考えられています。
端的に言うと、病院に行かなければ
食中毒としてカウントしようが無い
という事です。
個人的な意見ですが、潜在的に
家庭での食中毒が一番件数的には
多いのではないかと思っています。
毎年恒例の、過去10年間の
推移です。
こちらは件数のみのカウントです。
毎年触れていますが、アニサキスによる
食中毒が有意に増えてきています。
ここ2年程は新型コロナ禍により
食虫毒の発生件数自体は減ってきています。
※それでも、発生件数的には2012~2015年と
あまり変わりませんが。。。
割合としてはカンピロバクターの発生件数の
割合はさほど変わりませんが、
ノロウイルスが年々少なくなってきており
その代わりにアニサキスが増えてきています。
アニサキスに関しては、瞬間的に
電流を流すことによってアニサキスを
無害化することが出来るシステムが
開発されるなど、良いニュースも
入ってきています。
このシステムを安価に導入することが出来れば
近い将来、アニサキスによる食中毒は
減ってくるかもしれませんね!
鶏肉屋としては、カンピロバクターにも
そのような「カンピロバクターだけを無害化する」
技術が開発されてほしいなあと思います。。
毎年、致命的なケースはほぼ出ないものの
日本国内では多くの食中毒が発生しています。
特に今の季節、気温が高い状態ですと
食品も傷みやすい日が続きます。
ご家庭で気を付ける事はもちろん、
飲食店は特に他人の安全を預かる身ですので
一層気を付けましょう!
それでは今回はこの辺で!
また次回!