鳥勝 ぶっちー
需要の急激な増加で鶏が小さくなる?鶏の生育日数と需要の関係
2023年11月5日
こんにちは!
先日、こどもが花粉のせいか
鼻水が出るというので
嫁さんが耳鼻科に連れてゆこうと
したところ、午前中の早い時間にも
関わらずなんと順番が「100人待ち」で
あきらめたとの事。
他の耳鼻科にしたら?と聞いたのですが
どうやらその100人待ちの
耳鼻科じゃないと嫌だそうで。
職種は違えど、鳥勝もそんな風に
お客様に思って頂けるような店に
ならなくてはと思わせる一幕でした。
ぶっちーです!
さて、唐突ですが最近(令和5年秋)
鳥勝のお出しする名古屋コーチン生肉が
平年より少し小ぶりです。
他の業者さんや養鶏場さんにも
必ずしも当てはまるというものでは
ないのですが、うちで言うと
平年の秋口に鳥勝が販売している
名古屋コーチン生肉1羽分と比べて
3分の2~5分の4くらいの大きさです。
これは鳥勝の契約している養鶏場さんが
鶏の生育に失敗したとか、
謎の鶏の病気が流行っているとか、
そんなわけではありません。
原因は一つだけ、
「名古屋コーチン需要の急激な回復」
です。
周知のとおり、2020年に端を発した
新型コロナは日本のみならず全世界を
席巻し、殊更飲食店にとっては
今後業界全体がどうなってしまうのかと
思わせるほどの大打撃となりました。
愛知・名古屋名物として名古屋コーチンは
そんな飲食店でお使い頂いている所も多く、
例に漏れずコロナ禍で需要に急ブレーキが
かかり、とにかく売れない時期が続いて
しまい、名古屋コーチンを育てる養鶏場も
育てる量をかなり控えていました。
そんな中、ついに今年の5月
新型コロナ感染症は第2類感染症から
第5類感染症へと切り替わり
実質コロナ禍の終息となったわけです。
実際のところ、コロナ禍が終息
したからと言って、どれくらいの
スピードで需要が回復するかは
誰にもわかりませんでした。
養鶏場さんも当然、コロナ禍明けの
数量予測の対応を迫られていましたが、
需要を予測して鶏の数量を決めるという
作業は非常に難しく、ましてや
平時ではなくコロナ禍前後。
はっきり言ってこの時期のヒヨコの
数量を決めることは「賭け」のような
側面も大いにありました。
あまり大きな声では言えませんが、
コロナ禍の最中、ある養鶏業者さんは
強気にも鶏を増産し、イケイケでしたが
当然のように当時は売れず、大量に余らせて
しまってどうしようもなくなり、
「所在している県に泣きついた」
なんて話も聞いていた程です。
そして、対応はやはり様々でした。
名古屋コーチンを育てる養鶏場さんに
よって、コロナ禍と同じくらいの
量のヒヨコを育てて様子を見たり、
はたまた需要の回復を見越して
コロナ禍前の例年通り量のヒヨコを
育て始めたり。
鳥勝の契約している養鶏場さんは
そんな中、「控えめな数量のヒヨコを入れる」
という判断をしていました。
ある種、この判断も正しいといえます。
鶏は生き物。大幅に余らせてしまうと
それこそ大変ですから、
足りなかったケースの方がまだマシです。
そして、、、5類以降から半年たって、
いざ答え合わせをしてみると
「需要は想定以上に急激に回復」し、
「コロナ禍前の例年の数量、もしくはそれ以上」
のヒヨコを育てたパターンが正解となりました。
その結果。
鳥勝が契約している養鶏場さんは大幅に
名古屋コーチンが足りなくなってしまい、
「育ち切っていない次のロット」の
名古屋コーチンを出荷せざるを得ない
状況に陥ってしまいました。
(11月に入り、かなり状況は改善され
通常の大きさに近いところまできています。)
そうです。
ここで冒頭の話題に戻りますが、
「鶏が少し小さめです」
というのはそれが理由です。
名古屋コーチンは飼育日数が
140日から160日程度と、
ブロイラーに比べて長いため、
急に足りなくなった時にすぐに
育てるというわけにはいきません。
160日程度で出荷するはずの鶏が
30日程かけて売れるはずだったところ
10日ほどで売れてしまったら
次のロットは160日まで育たず
140日齢ほどで出荷せざるを得なくなります。
さらにそんなロットが2回続くと、
前倒しは進み120日程で出荷という
形になってしまいます。
(業者さんによっては、この120日齢が
デフォルトに設定されている所もみえますが)
やはり名古屋コーチンも当然生き物。
工業品のように足りなければすぐに
増産すればいいという形はとることが
できません。
少し申し上げた通り、年末に向けた
ロットは数も多く入れてあるとの事で
だんだんと品薄や大きさ不足も解消には
向かっています。
何事も、将来の予測は難しいものですが
第一次生産に関しては特にそれが
顕著なのかもしれません。
それも含め、名古屋コーチンの生産者様には
いつも感謝の気持ちを持ちつつ、
お互いに連絡を密に取り合って
日頃からの情報共有が大事ですね!
それでは今回はこの辺で!
また次回!