鳥勝 ぶっちー
鶏の日齢と皮の「薄さ・硬さ」の相関関係、そして気を付ける事
2024年11月12日
こんにちは!
先日、鳥勝の近くにある飲食店
「東乃里」さんが45年の歴史に幕を下ろし
閉店されました。
古くは鳥勝の先代からの付き合いで、
名古屋コーチンの取り扱いもして頂いていました。
大先輩なので失礼な表現ですが、
食品衛生協会では「仲間」として共に
岩倉市で活動してきました。
後継者や健康の話など、様々閉店の理由は
僕たちの口を出す範疇の話ではありませんが
人気店として繁盛したまま幕を下ろすのは
残念でなりません。
大将、45年間本当にお疲れ様でした!
引退後はゆっくり、近くで小料理屋など
開いてくれると嬉しいのですが笑
ぶっちーです!
さて、今日は鶏の「皮」のはなしです。
鶏の皮、当たり前ですがどの個体も
必ず鶏の皮が表面を覆っています。
部位として見た場合、焼き鳥や鍋にしても
おいしい人気の部位でもあります。
この皮、当然鶏を捌く際には
包丁を入れて各部位に切り分けるのですが、
気を付けないといけない事がいくつかあります。
まずはこちら、
「皮の破れ」についてです。
これは鶏を捌く人にしかわからない
事かもしれませんが、
鶏を生きた状態から食鳥処理し、
放血後脱羽工程の時に気を付けなければ
いけない箇所です。
鶏の脱羽工程ですが、鳥勝も含め
殆どすべての食鳥処理場では
「脱羽機」「脱毛機」を使用します。
このような機械で、鶏がこの中で
ぐるぐる回され、羽根がむしり取られるのですが。。。
この時に、皮が破れてしまう個体がいます。
脱羽工程に入る前に、とさつされた鶏を
熱湯に漬けて羽根を抜けやすくする工程が
あるのですが、その湯漬けの時間や
熱湯の温度、また脱羽機の回転時間などを
調整することにより羽根の抜け具合や
皮に対する負担のかけ方を調整することができます。
目標としては、すべての個体がきれいに
羽根がすべて抜け、なおかつ皮が破れていない
状態になっている事。
この湯漬けをミスると、皮が破れたり
羽根が抜けなかったりします。
ここで、表題にもなっている
「日齢と鶏の皮の関係」について
少し触れたいと思います。
一般的にですが、鶏の皮は鶏の日齢に比例して
どんどん硬くなってゆきます。
上の画像の個体は160日齢程度の個体で、
名古屋コーチンとして考えた時、
少し長く飼っている個体で、
長期飼育や長期肥育と言われる期間
飼育されている個体です。
名古屋コーチンの一般的な飼育日数は
120日齢程度なので、その日齢の個体に
比べ、皮はやはり比較的硬めに分類されます。
160日齢から200日齢程度、
さらにヒネや親鳥と呼称されるような
300日齢以上飼育された鶏は、
先ほどの「脱羽工程」ではそんなに
気を付けなくても大丈夫です。
皮が破れる事はあまりありません。
対して、気を付けなければいけない
個体は「若い鶏」や「脂の乗った個体」です。
名古屋コーチンでいう120日齢程度の
若い個体は先述の通り、皮もまだ薄い
個体が多く、当然皮の破れやすさも
比例して大きくなります。
一番気を遣うのが上の画像のような
脂の乗った個体。
これはある程度日齢を重ねた個体でも
気を抜くと破れます。
先ほども少し触れた湯漬けの工程、
その湯温や湯漬けの時間を個体に対して
個別に判断しながら脱羽しないと、
割と簡単に皮が破れてしまいます。
皮が破れてしまった名古屋コーチンは
商品価値が落ちてしまい、
飲食店さんには卸せなくなったりします。
できる限り、さばく全ての名古屋コーチンを
キレイで完璧な状態で送り出したいものですね!
それでは今回はこの辺で!
また次回!