水越 たかゆき
ネジロック剤やグリスは適材適所で。。
2023年6月3日
こんにちはダグムスの貴之です。
昨日は全国的に災害級の雨でしたね・・。まだ本格的な台風シーズンではないのに凄いですね。
豊橋方面から関東方面などで
何らかの被害にあわれた方はお大事に・・・。
今回のブログ。。
普段、私は他所様のことを攻撃したりはしません。攻撃性は低い方なのでw
ですが、今回お預かりした器材を見させて頂いて、酷い事例なので紹介しておきます。
どこの誰が触ったのかもわかりませんが。修理屋は名乗ってほしくないレベルです。
先に言っておきますが、まっとうな職人肌だと自負している私からしたら、
こんな内容で金もらってO/Hなんて言ってたら、知識も技術も(ついでに純正パーツも持ってない?)無さ過ぎて
「ウチ修理できるよ、やってあげるよ詐欺」です!断言致します。
SAS製レイソンです。
この折れたホース、触った瞬間に嫌な予感が。
なんだかホースが異様に柔らかいなぁ。
クタクタすぎるんです。恐らくシリコン部分が侵されてます。。
有機溶剤系の入ったシリコンとかを塗布しすぎるとゴム系部品は浸食されてしまって
フニャフニャになることが有ります。
グリスに限らず、塗りすぎはトラブルの元ですよ。
以前にもセカンドのマウスピース側からシリコンスプレー吹きすぎて
ダイヤフラムが膨張して交換になってしまった漁師さんの器材の事例があります。
その所為か?ホース表皮裂けてます。要交換です。何らかの薬品?に侵されてるねぇ。。
ホントに手触りをお伝え出来ないのが口惜しいです。このしっとりペタペタ、くたくた感。
二つ目の問題。スイベル部分。
まぁ汚れは普通ですかね。
このOリング、安くて耐久性がイマイチです。
最初からホースに組み込んである製品なら、まぁそういう製品なのねと納得しますが、
交換するOリングにわざわざこのタイプを入れてあるところがね・・。コストカット。
同じOリングが入っている、海外で買って来た新品レギュレーターを弊社に持ち込んで、
通常弊社で使用している国産高品質Oリングに交換依頼があるくらいです。
タイラップ締め方が甘いです。。ていうかテキトー過ぎます。
多分水は入ってきてない、と思いますけどね。
もうちょっとすっきりさせたいです。
このあたりに仕事の程度が見え隠れ。
あれ?スイベルが外れない・・!なんで?
あ~。悪い予感はしましたが、こんなところにネジロックがタップリ。
袋ナットで、ネジピッチが細かくて、メーカー指定じゃないところに塗ってある。
これやっちゃうと・・
外れなくなるんだなー。
ほれみー(名古屋弁)。
どうしても!外れなくなってしまって部品の変形を招きます。
大体からしてですね、、①肉薄。②ねじピッチが細かい。③硬度の低い真鍮部品。
に、ネジロックを塗ったらどうなるかわかってない時点で色々ダメダメです。
分解時に変形してしまってボールジョイントが収まらなくなってしまってます。
序に言うと変なグリス入れたおかげでOリングが膨張気味。
二度と分解するつもりが無ければネジロックでもよいけどね。。
んで?ここが漏れたらホース丸ごと交換するってお客さんに言うのかい?って
コレをやっちゃう人に聞きたいですよ。私ならよう言わんわ。
その他ダメポイント。
塗らなくてよいところで適さない種類の違うグリス塗ってます。
ダイヤフラムがちょっとふやけてます。浸透してしまってますね。
メーカーの指定注油箇所でなくて種類の違ったグリスを使っちゃうのは、無資格者確定ですね。
無資格者で知識も無いなら触るんじゃない!!って言いたいです。
中にもグリスが~。だからここにもグリスは要らないってば!
しかもこのグリス、ちょっと匂うんですよね。
呼吸するときのエアーにグリスの匂が付いてきますよ。
拭き取ってみると判りますが
色味から「あ、あのグリスか」ってなりましたけどね。後程。
因みにHPシートのえぐれ具合から、未交換(再利用)ではないかなぁと疑惑を持ってしまいます。
恐らく使われているグリスはこの茶色っぽい系統のグリス。
弊社も比較資料用に買っておいてありますが、
メリットは、、、安い!
だからちょっと怪しい修理屋?さんではよく使われてますww
品名は伏せますが、どちらかといえば、碍子などの塩害予防。その他は工業機械系に向いているグリスかと。
ちょっと匂うのと、ゴム部品がどうも浸食されているんじゃないじゃないかと推測されます。
以前にも同じグリスで、ゴム系部品がプヨプヨになった事例見てます。
ウチも長いこと修理屋やってますからね、グリスに関しても最適の物を調べています。
因みに弊社が使っているのはメチャお値段が高い(涙w)
メーカー直系のクリストリューブタイプと、上に写っている半透明のシリコングリス。
それに、スプレー用に大缶で大量買いしているシリコンオイルを2種類配合して最適な粘度に調整して使ってます。
これだけで経費が掛かってますってレベルですよ。
あ、最後に正解箇所。
ヨークリテイナーのネジロック剤のみ正解です。
大体この手の仕事をやる人は、安くて匂うグリスを塗らんくても良いところに
塗りまくり、間違った箇所にネジロック剤塗って外れなくなってしまっているのがマストです。
はっきり言って、修理に自信が無いからネジロックとか塗っているんじゃないかと。
・・・ちゃんと「自信が持てる仕事」をやりなっ!
どちらにしてもしっかり洗浄。
使えるパーツは助けてあげないとね。
綺麗に洗えたので組み上げに入ります。
すこ~し柔らかくなっていますが、ダイヤフラムはまだ無事でした。
ホースはスイベルの変形が酷くなって使用不可になってしまったので交換になりました。
お高い部品なのに、助けられず申し訳ないです。。
きっちりと適材適所なパーツ使用。グリスも適した種類を最適な箇所と量で組み上げます。
あと、必要な場合に「メーカー指定箇所」にネジロック剤使用してます。
今回のは結構ヒドイ修理でしたね。
多分。安くやるよー。とか言ってどっかの知識のない、知らない輩が弄ったのが良く判ります。
前回お安くO/Hされたのかも知れませんが、今回ホース交換が必要になってしまったら元も子もないです。
実を言いますと、ほかにもこんな感じの修理内容の器材をチラホラ見かけます。
悪のO/H組織が間違った方法論で暗躍しているのか!?
ならば正義のO/H屋がきれいに直してやる!って息巻いてますww
元通りに直すのには苦労するけど・・。
最後にもう一回言いますが、この内容で金取ってたら詐欺のレベルです(笑)
(私からしたら、O/Hしてある、とは絶対に言って欲しくない)
今回はヒジョーに腹が立ったので毒吐きまくりです。悪しからずご了承くださいませ。
弊社はまっとうな修理屋だと自負しているからこそ、こんな内容でも書いてみました。
次回はいつもの様なブログを書きます!
ではまたっ。