まちゃお伊藤
造園工事完成
2020年12月5日
今年の5月頭から取り掛かった造園工事。
幾度となくこのブログでもご紹介させていただいてきましたが、ようやく完成いたしました。
駐車場の石貼り。
ここは方形の御影石を縦に使って、建物の方に目線を持って行かせるようにしています。
イメージはお寺の参道です。
ここは石貼りよりも、石の加工に手間取ったのが何より印象に残っていますね。
でも、駐車場を全面石貼りでやる事が今までなかったので良い経験になりました。
駐車場から、「離れ」「母屋」「新屋」へと続くアプローチ。
乱貼りだけで最初は施工しようかと思っていましたが、かなりの平米があったので乱貼りだけだとうるさいと云うのと、駐車場からの纏りを考えて駐車場に使った御影石を織り交ぜながらの石貼りです。
ここの肝は何と言っても延石と板石のバランスに尽きます。
間に入っている乱貼りよりも、どうしても目が行くのが方形の石ですからね。
調子良くバランス良く単調にならないように、もの凄く気を使いました。
離れから母屋まで。
方形と乱貼りの石貼りから、母屋の前で一度縁を切って乱貼りだけの石貼りをおきました。
ここでアプローチからの切り離しをする効果と、母屋の重厚な雰囲気に引き継げるようにしました。
息子さんたちが住む新屋へのアプローチ。
ここは延段なんですが、あまりかっちりした延段にしたくなかったので、少し現代的な延段になるように考えました。
建物も玄関の部分のしつらえがレンガタイルを使っていたり、母屋よりモダンな雰囲気で建てられていますからね。
それと、お子さんたちのお気に入りのツゲの「亀さん」仕立てを砂利の海の中、新家に向けて移植しました。
こそっと小亀を石で作っておいたら、早速お子さんたちに見つけて貰えました。
植わっていた植木は伐採や移植をして、川石で土留した植栽帯を設けました。
歩く部分と植栽を完全に切り離して、歩く部分は飛び石を打ってその周りを白砂利を敷いてあります。
これで、草の生える部分を減らして雨でぬかるむことがないようにしています。
飛び石はもともとあったものを極力使って打ってあります。
木の上から。
かなり広いお庭なのでなかなか全景を撮れなかったのですが、剪定した時にふと下を見たら撮れそうだったのでチャレンジしてみました。
ここまで広いお庭の改修工事は初めてだったので、やりながらの試行錯誤の連続でした。
取捨選択して必要な場所に必要なものを置くこと。
然るべき場所に配置することの大切さを再確認しました。
この業界に入った時に先輩の職人さんに言われた言葉なんですが、
「お庭には全て意味があるから、その意味を理解して仕事しろ」
その言葉に尽きるなと思いました。
ここまで自由に作らせてくれたお客さんに感謝しかありません。