鳥勝 ぶっちー
食品の行き過ぎた「自然志向」に注意!天然由来は万能ではありません!
2021年9月27日
こんにちは!
愛知県も緊急事態宣言の解除まで
あと4日間となりました。
どうやら一気にすべて解除とはいかず
徐々に段階を踏まえて営業時間などを
解除してゆくようですが、年末に向けて
前向きに進めて行って欲しい所ですね!
ぶっちーです。
さて、先日「あるツイート」が
話題になっていました。
なんと、「アレルギー持ちの人でも食べれる卵」という
「とんでもない卵」が紹介され、それを見た
ある小児科医さんがツイートで警鐘を
鳴らすという地獄絵図のような状態です。
まさに「とんでもない卵」です笑
一緒に載せられた情報誌?の画像にも
「アレルギーの子も食べられる卵を」と
銘打って紹介されているようですね。
「卵アレルギーの人でも食べれる卵」
言うまでもなく、これはとんでもなく
危険で間違っている情報です。
それも、場合によっては最悪のケースも
起こりえる程に。
アレルギーが発症するメカニズムは
上記画像にもあるように原因食物の
「アレルゲン」が原因です。
今回話題になっている卵アレルギーの場合
オボムコイド
オボアルブミン
等、卵白のタンパク質が原因で
あることが殆どです。
食物アレルギーとは特定の
物質に対して科学的に起こる現象であり、
「いい水を使っている」
「化学飼料を不使用」
「自然に近い状態で育っている」など、
そんなレベルでアレルギーを回避できると
思ったら大間違いです。
そんな事では、卵白を構成している
物質を変化させることなどできません。
少し脱線しますが、そんなアレルゲンを
回避できるような技術も、出てきています。
近年、産業技術総合研究所で
ゲノム編集技術などによりこの
アレルゲンであるオボムコイド遺伝子を
欠失したニワトリの開発に成功しています。
このようなゲノム編集されたニワトリの
卵であれば、アレルギー持ちの方であっても
食べる事のできる卵は生産できるかもしれません。
少し調べましたが、今回話題になっている
養鶏場様がこのようなゲノム編集された
ニワトリを使用している事は無さそうでした。
今回はどうやら一般ユーザーの方が
先走って「卵アレルギーの方でも食べれる卵!」と
宣伝してしまったらしく、この養鶏場様の
HPでは、しっかりと否定の文章が
掲載されていました。
養鶏場様の名誉のためにも、画像を
載せておきます。
少しだけでも考えればわかりそうな事ですが、
近年はだれでも手軽に情報発信できるような
SNSを中心に、無知が元になっている
危険な情報が散見されます。
特に健康志向が重視される今日この頃
「自然」や「天然」とされるものが
無条件で正しいという風潮がある気がします。
確かにできる限り科学的なものを使わない方が
いいという事には同意しますが、それだけが
全てではありません。
例えば、鶏にもワクチンや抗生物質を
打ちますが、このワクチンなどが無いと
マイコプラズマ感染症等で鶏が死ぬ確率が
非常に高くなったりします。
必要以上に薬漬けにする事などは言語道断ですが、
やはり必要最低限、科学の力に頼る事は
必要だと思います。
長くなりましたが特に卵や肉はなど、
食品は消費者の口に入るもの。
できる限り正しい情報を得るようにしましょう!
それでは今回はこの辺で!
また次回!